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最初の猫又

わが国における猫の記録は「日本霊異記(にほんりょういき)」に記されています。
豊前の国(現在の福岡県)の膳(かしわで)の臣広国(おみひろくに)の亡父が猫になって、彼の家に飼われたという説話が日本で初めての化け猫・猫又伝説であります。

猫股(猫又)の定義としましては、様々ありますが、
「本朝食鑑(ほんちょうしょくかん)」(1695年)には、

「凡そ(およそ)雄の老猫、妖をなす。その変化、狐狸(キツネとタヌキ)に減らず、(おとらず)
よく人を食う、俗に猫麻多(ねこまた)と称す。」とあります。

毛の色は、純黄毛、純黒毛がもっとも化けやすいとしています。


また、「和漢三才図会(わかんさんさいずえ)」(1713年)には、

「凡そ(およそ)十有余年(十歳以上)の老牡猫、妖けて(ばけて)災(わざわい)をなすものあり、
相伝う、純黄色赤毛、多く妖をなす。」とあります。


「重訂本草綱目啓蒙(じゅうていほんそうこうもくけいもう)」には猫股の語源について書かれています。
「俗に老猫、尾岐(おき)をなし、(尾が枝分かれする)人を魅するをマタネコと言ふ。」

これによりますと、股猫が後に猫股に変化したことになります。

※要約致しますと、猫股とは、「年老いた黄色か黒猫の雄猫で、尾先が二股に割れた化け猫のとこを指します。

堅苦しい文章になりましたが、日本における猫の歴史は深くて広いのです。
それだけ、日本人には馴染み深い動物だと言えるのではないでしょうか?

次の化け猫・猫又伝説では、猫股の形態について詳しく述べたいと思います。

最初の猫又_e0041329_12455285.jpg
 栗太郎の尻尾は二股に分かれていません。(念のため)

by shintankun11 | 2005-08-05 12:49 | 化け猫・猫又伝説~

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