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馬一両に猫五両也  その1

 古代エジプトや中東の「猫の歴史」が続きましたが、今回は日本の「猫の歴史」です。

虫干や蔵に声ある雇ひ猫 貞佐 (1672~1734)  江戸時代の俳句です。 仕舞いっ放しの和服や軸物などの「虫干し」の時期に猫を借りてきたのでしょうか? 勿論、鼠退治のために。

かつふしを喰にけするかりた猫 (カツオブシを食い逃げする借りた猫) 川柳評万句合・安永元年   

猫はよく「家につく」と昔から言われてきました。 必要な時だけ、ちょっと借りてきた猫が、すぐにバリバリと働いてくれるとは考えにくいですよね。(笑)  現代でも「借りてきた猫」と言う言葉は「おとなしい」といったような意味に使われています。 しかし「雇ひ猫」とか「かりた猫」という言い方で句に使われるということは、ごく当たり前に 「猫の貸し借り」 が行われていたことを証明していることになりませんか? 明治の時代になっても、地方によっては 「出稼ぎ猫」 という言葉が使われていて、腕のいい猫(ネズミを退治する)の貸し借りは、そう珍しいことではなかったようです。 

養蚕の盛んな桐生(群馬県桐生市)では、猫のやりとりに金銭が動いたとの記述もある。
「上州桐生のあたりにて、 猫の子をもらふに、 百三文銭をやりて貰ふとぞ、 あたへを取らざる者もあれど、 おほかた此の如し、 蚕をかふに鼠をおそれて、 必ず猫を家毎に養ふなり」 山崎美成著 「海録」 (1830年頃)
猫を買うというよりも、祝儀とか結納といった趣でお金のやりとりをしたようです。

ところが、明治の中期から大正時代にかけて、れっきとした「猫市」が立っていたという記録があります。 「東海農業編年史・蚕糸業編」(1967年)

今日はこれまで。 
馬一両に猫五両也  その1_e0041329_11272072.jpg

         栗太郎レンタル開始しました。(笑) ←うそです

by shintankun11 | 2005-10-09 11:29 | 猫の大学 (講師・栗太郎教授

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